ペットショップで売れ残ったその後の行方は?引き取り方法やその後行方を解説

ペットショップでは数多くのペットが売られています。ペットショップは全国に数千件存在し、それぞれで様々なペットを販売しています。

そんな中、ペットショップに存在しているペットが全部売れる訳ではありません。では、売れ残ったペットはどうなるのでしょうか。
今回は色々な視点からペットショップで売れ残ったペットのその後についてご説明してきます。

ペットショップとは?

ペットショップは犬や猫、鳥、爬虫類、熱帯魚などの生体やペットフード、ペット用シャンプーなどのペット用品やペットを販売するお店です。ペットショップによって規模は様々であり、哺乳類から魚類までといった、様々な種類の生体を取り扱うところや生体を置かずにペット用品のみを販売するお店も最近は増えてきています。

また、中にはトリミングサロンやドッグカフェも併設しているペットショップもあります。

ペットショップを営業するためには都道府県知事や政令市長へ届けを出して「第一種動物取扱業」として登録されることが必要となり、また事業所ごとに「動物取扱責任者」を置くことも求められています。

ペットショップが守らなければいけない基準としては「動物の愛護及び管理に関する法律施行規制」「動物取扱業が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」などが存在し、違反すれば登録の取り消しや業務停止命令などの厳しい罰則が科されます。

ペットショップでの売れ残る事情

ペットショップで売れ残る数

 ペットショップで売れ残る生体数について、少し古いデータですが2011年に環境省が行った動物取扱業者へのアンケート調査によると犬は4%、猫は7.1%の割合にて売れ残りが発生しているという結果が判明しています。かなりタイムラグはありますが2018年度の犬猫の流通量は犬が69万6557匹、猫19万9569匹とのことですから単純計算で1年間に犬は約2万8千匹、猫は1万4千匹の売れ残りがそれぞれ発生していると推測できます。

また、朝日新聞の調査(2020年4月1日付記事)によると2018年度に国内で繁殖・販売されていた犬猫のうち約2万6千匹が繁殖業者やペットショップのもとにいるうちに死亡しているとの報告もあり、この中には販売用の子犬や子猫も含まれているため実際の売れ残り数はもっと多いと考えることもできます。

子犬や子猫の売れどき問題

 子犬や子猫を家族の一員として迎えたいと考えたとき、一概に言い切ることはできませんが多くの人は「子犬・子猫から育てたい」と希望する傾向がまだまだあります。理由としては「見た目の愛らしさ」や「まだ個性が出ていないためトレーニングしやすそう、懐いてくれやすそう、先住犬・猫と仲良くしやすそう」などが挙げられます。

よってペットショップで販売されている子犬や子猫の売れ時は生後2~3ヶ月だといわれており、生後3ヶ月を過ぎても売れない場合は少しずつ値下がりしていき、生後5ヶ月ごろには最初の売値の半分以下となるケースもあります。

さらに生後6ヶ月を過ぎてしまうとセールでも売れ残ってしまうことが多いという厳しい現実があります。ペットショップ側でも、売れ残りそうな場合には売れるような対策として通路にサークルを設置して近くで見られるようにする、同系列の店舗があれば移動させるなどの工夫を行いますが、それでも売れ残ってしまう生体はいます。

ペットショップで売れ残りが起こる理由3選

人気犬種の在庫問題

ドラマや漫画での出演、芸能人からのSNSを通じての発信などで特定の犬種が爆発的に流行し、その結果、まるで限定グッズのように人々がその犬種を後先考えずに買い求めるという現象が日本ではいまだに発生しています。

このような人々の中にはその犬種の個性や世話にかかる費用などを一切考慮せずに、ただ流行の一環として購入するため流行が終わると世話をしきれなくなり、結果的には飼育放棄するケースが多々見受けられますが、ペットショップも商売であり利益を出すためにはそこまで考慮することは少ないことが現状です。

よってペットショップにおいて流行が生じている間は、その犬種を多く販売できるように集中的に仕入れますが、流行が終わってしまうと人々はその犬種に見向きもしないため結果的に在庫として残ってしまうという状況があります。

ペットの性格や行動、年齢の問題

 ペットショップで販売されているといっても、動物たちは商品ではなく「命ある生き物」であり、そこには「性格や行動といった様々な個性」が存在します。

ショーケースの中で活発的に遊んでいる子や、人間が近づいてくると興味津々に体を寄せてくる子などは注目を集めやすく、売れやすい傾向にあります。反対に、いつでも寝ている子や人間を怖がる子は注目を集めにくく、また迎えても懐かないのでは?などの不安によって敬遠され、結果的に売れ残ってしまう傾向にあるといえるでしょう。

 また、前述したように人々が求める生体の年齢にも区切りが存在します。子犬や子猫の場合ですと生後2~3ヶ月までに売れてしまえば問題ありませんが、そこを過ぎてしまうと人々から注目を集めることも少なくなり、値段を下げても売れ残ってしまう可能性が高くなります。

需要と供給のバランス

 一般社団法人ペットフード協会による「2021年全国犬猫飼育実態調査結果」によると2021年における全国での推計飼育頭数は犬が710万6千頭、猫が894万頭6千頭となり、今の日本は世界と比べてもペット大国であるといえます。

よってその利益を享受しようとペットショップやインターネット上で多くの子犬・子猫たちが販売されており、またどんどん繁殖されています。

しかし、1つの家庭で世話をすることのできる頭数は限られおり、また少子高齢化で人口が減少し始めている日本においては、繁殖量に比べて引き取ることのできる人間の割合が追いついておらず、需要と比較して供給過多となりつつあるというのが今のペット業界の現状です。

 また、ペットショップ側としては購入希望者が多い犬種や猫種の売り逃しが起こらないように、ある程度の生体数を常に確保しておく必要があります。その結果、想定よりも流行が早く過ぎ去ってしまった場合などは確保しておいた種類の生体が売れ残ってしまうという事態も発生しています。

ペットショップで売れ残ったその後の行方

繁殖犬専用になる

 ペットショップが生体の販売に加えて自家繁殖(ブリーダー業)も自社内で行っている「ペットショップ経営兼繁殖者」の場合は、繁殖犬専用となります。特に健康で見た目も良い、または珍しい種類のメスは繁殖犬となる可能性が高いと考えられ繁殖可能な年齢となった後は血統を繋ぐために妊娠と出産を繰り返します。

このような経営形態のペットショップは全体の10~20%を占めると推計されています。

保健所、保健団体、ブリーダーへ送られる

 2013年の動物愛護法改正により、保健所や愛護センターはペットショップなどの動物取扱業者からのペットの持ち込みは拒否できるようになっています。ただし、悪質なペットショップだと個人を装って持ち込むこともあるため、持ち込みが起こっていないと言い切ることはできないと考えられます。

 ペットショップの中には保護団体と協力して譲渡会を開催し、里親募集を行う場合もあります。メリットとしては1回の譲渡会で里親が見つからなくても保護団体の方で一時的な預かりが可能なため継続して里親を探すことができる点が挙げられます。

しかし、中にペットショップから資金などの援助を得ている「下請け保護団体」も存在するため注意が必要です。

 販売のみを行っているペットショップの場合は仕入れた繁殖業者に返還している場合もありますが、返還された繁殖業者が生体をどのように取り扱っているかは一概にいうことはできません。

里親募集やペットショプで飼われる

保護団体を通さずに、直接ペットショップのホームページや店頭で里親募集を行う場合もあります。多くが生後半年を過ぎていることから性格もほぼ決まってきていますが、その分今まで面倒を見てきたペットショップのスタッフからフードの好みなどのお世話のコツを教えてもらえるという安心感があります。 

 また、人間が好きで人見知りをせず、愛嬌がある場合はペットショップで飼われて看板犬・看板猫になれる可能性もあります。ただ、ペットショップの規模にもよりますが店で飼うことができるのは数匹程度に留まるため、なかなか難しいというのが現状のようです。

ペットショップで売れ残りを減らす、無くす方法とは

法改正を行う

 ペットショップで売れ残りを減らす、無くすためには「ペットショップでの生体販売を禁止する」ということが問題の根元を断つという意味ではベストな方法です。

ただ、今の日本では生体販売によって収入を得ている人々や家庭環境などにより保護団体からの譲渡が難しく、ペットショップからでしか生体を入手できないという人々も多いため現時点では現実的な方法ではありません。

よって保護団体や専門家からは「今以上に厳しい繁殖時期や繁殖回数の制限」を設けることによって、売れ残りが発生しないように頭数の調整を行うことをペットショップの義務とする売れ残りが発生しても、生体が動物福祉に基づいた環境で生きていくことができるように「ペットショップの責任や義務を増やす」などの法改正の検討が求められています。

ペットショップで売れ残りが起こらない国

【主なペット先進国】

 「動物の権利が尊重され、動物愛護の精神が高い国」をペット先進国と言いますがペット先進国ランキング上位は下記の4つの国です。【主なペット先進国】

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • スイス
  • ドイツ

<オーストラリア>
オーストラリアはペットの飼育率が世界で最も高い国の1つであり、一部の地域では(オーストラリアは連邦国なので州によって法律が異なります)営利目的でのペットの展示販売が違法となっています。違法となっている地域の人々は主に里親という形で迎えていることが多いようです。

<ニュージーランド>
ニュージーランドも世帯当たりのペット所有率が非常に高く、中でも猫は特に数が多いということが知られています。動物愛護団体もSPCAをはじめ、多くの独立団体が存在しておりペットショップは存在するものの愛護団体から引き取ることの方が一般的です。

<スイス>
スイスは歴史上、犬猫の生体展示販売を行ったことがなく、ペットショップでは魚・爬 虫類・げっ歯類・鳥類の生体販売が行われています。また、スイスでは動物のメンタルを 何より重視しており動物本来の生息環境に配慮し整えていることからも「世界一自然と動 物に優しい国」と言われています。

<ドイツ>
ドイツとスウェーデンでは生体販売が法律で禁止されているわけではないにも関わらず、犬や猫の生体販売を行っているペットショップがほぼありません。その理由として、これらの国ではアニマル・ウェルフェアに基づいた動物に関する法律が非常に細かく規定されており、法律に沿った設備や飼育体制を整えようとするとペットショップのようなビジネスが成り立たなくなるためと考えられます。

まとめ

近年、生体販売をやめてペット用品のみを取り扱うペットショップも出てきましたが多くのペットショップでは当たり前のように子犬や子猫がショーケースに入れられており、道行く人が立ち止まっているのが現在の日本です。

そもそも、ペットショップで購入する人がいるから販売するというのが自然な流れであり、ペットショップのみが悪いとは言い切ることはできません。ペットショップにいる子犬や子猫の愛らしさだけに目を向けるのではなく、その裏側で何が起こっているかをまずは知ることが私たちに求められている第一歩です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。