近年犬や猫だけでなく、豚をペットとして飼う人が増えています。
家庭で育てやすいよう、ペット向けの品種もおり、需要は年々大きくなっています。
今回はペットとして豚を飼う上でのポイントや、性格についてをご紹介します。
ペットとして豚を飼いたい、候補として検討している方は、ぜひご一読ください。
ペット向きの豚にはどんな種類がいるの?大きさは?
目次
豚というとかなり大きな印象を受けますが、ペット用の豚はどの程度の大きさなのでしょうか?
また、どんな品種がいるのか?気になる内容を確認しましょう。
ペット向けの豚の大きさ
ペット向けの豚には、ミニブタとマイクロブタの2つの大きさに分かれています。
通常の豚は大人で200〜300kgほどと、かなり大きなサイズです。
一方ミニブタは100kg以下の豚をミニブタと呼ぶため、ミニとはいっても大きくなります。
ミニブタは飼い始めた時は2〜3kgほどですが、あくまでも子供サイズであり、大人になると50kg近くになります。
一方マイクロブタは、より家庭で飼いやすくなるようにと交配された豚です。
40kg以下の豚をマイクロブタと呼ぶため、ミニブタよりはサイズも小さく飼いやすくなります。
しかし、大人になった時に30〜40kgほどのため、大型犬と変わらない重さとなります。
子豚の時期は小さく飼いやすいですが、大人へなるにつれどんどんと成長します。
また、寿命は10〜15年と犬や猫とあまり変わりません。
ペットショップでは5〜15万円ほどで購入できますが、血統の豚は存在しません。
血統書付きの豚には、注意をしておく必要があります。
豚を飼う際には大きくなった時や寿命を加味した上で、ミニブタやマイクロブタのどちらにするかを検討しましょう。
ミニブタやマイクロブタに多く見られる品種
ミニブタやマイクロブタには、どんな品種がいるのかをご紹介します。
毛色や模様が異なるため、気になるブタがいるか事前に検討しましょう。
ポットベリー
ポットベリーは太鼓腹という意味があり、名前のとおりお腹が丸くぽっちゃりした印象のある豚です。
まさに豚といえばという愛嬌のある顔や、丸々とした体型をしている品種です。
ベトナムが原産で元は医療実験や動物園での需要で、主に欧米で広まりました。
その後アメリカなどを中心に、ペットなどの愛玩用として、親しまれています。
日本では20年ほど前にアメリカから輸入され、ペット用として広まりました。
ミニブタの一種のため、成長すると50kgほどとなります。
性格はおとなしく賢いため、しつけも比較的しやすい品種です。
色柄が豊富な品種のため、定番のピンクだけでなく黒やグレーといった豚も存在します。
さまざまな色や柄を楽しみたい方には、ポットベリーはおすすめの品種です。
ゲッチンゲンミニブタ
ドイツにて実験動物として小型に改良されたのが、ゲッチンゲンブタです。
体の色は白がほとんどで、中には黒い斑点を持つ個体もおり、ポットベリーと比較すると鼻が長いという特徴があります。
日本でも多く飼育されている品種で、性格は温厚かつ甘えたがりです。
どちらの品種も人に懐きやすく、おっとりとした性格のためペットとして非常に人気があります。
ペットとして豚を飼う上で知っておきたい4つのポイント
ペットとして豚を飼う上では、注意しておくべき点がいくつかあります。
今回は、特に気をつけておきたい4つのポイントをご紹介します。
飼い主さんも豚も快適に生活を送るためにも、事前に確認しておきましょう。
鳴き声や足音に注意が必要
豚の足は犬や猫と異なり、足は肉球ではなく蹄です。
そのため、カチカチといった高い音が歩くたびに鳴ってしまいます。
アパートやマンションなどの場合は、音が隣や下の部屋に響いてしまう可能性があります。
音だけでなく床に傷がついてしまうため、マットなどで音や傷を緩和させる必要があります。
また、こまめな蹄のお手入れによって、音や傷を防げるようになります。
状況によっては豚は鳴くことがありますが、大きな声で鳴くことはありません。
しかし、ご飯の時間に鳴くといった場合があるため、犬や猫と同様に騒音トラブルに気を付けておくと安心です。
また、しつけやスキンシップを取って、むやみに鳴いてしまう時間を減らせるようにしましょう。
たくさん食べるからこそ肥満に注意
豚は基本的に大食漢と言われるほど、よく食べるのが特徴です。
餌やおやつをあげた分だけ食べて、どんどんと成長していきます。
栄養吸収能力が優れているため、短期間で摂取した栄誉を筋肉や脂肪に変化させていきます。
体脂肪率は平均して13%と低く、代謝のいい身体ですが、あげすぎはいけません。
そのため、子豚時代は2〜3kgほどでも成長に伴い、50kg以上の大きさへと変化します。
ご飯は基本として、マイクロブタやミニブタ用のペレットが主食です。
ネットなどで買えるため、容量を気にせずに気軽に手に入るのは嬉しいです。
また、さつまいもや小松菜などの葉物や果物もよく食べるため、旬の野菜も一緒にあげると喜ぶでしょう。
基本的にはいろんなものをよく食べますが、消化不良につながるチョコレートや肉、たまねぎは与えてはいけません。
あげすぎに注意をしながら、健康に育つよう栄養を考えて食事を与えましょう。
飼うには許可を取る必要がある
豚は家畜伝染病予防法の関係で、1頭以上を飼育する場合は都道府県の家畜衛生保健所への届け出が必須です。
さらに、毎年保健所への定期的な簡易報告書の提出も必要です。
自治体によっては許可が免除となる場合もありますが、対象となるかは市区町村のHPで確認しましょう。
許可が必要な場所にも関わらず、無許可で飼育をしていた場合は罰金や拘留となる可能性もあるため、必ず届け出を出しましょう。
また、届け出を出したら必ず許可が出されるわけではありません。
飼育をするには家が小さい場合や、公衆衛生上良くないと判断された場合は許可がおりません。
年1回の豚熱への予防接種も必要なため、豚を飼うことは簡単ではありません。
豚を飼いたいと考え始めた際には、必要な商品と同時に自身の住む自治体への届け出についても確認しましょう。
スムーズに豚との生活を始める上では、欠かせない内容です。
体温調節が苦手なため暑さ対策を取る
豚は皮膚に汗腺がないため、体温調節が苦手な動物です。
特に夏場は汗をかいて体温を下げるといったことができないため、室温管理が重要になります。
冷房はもちろん、より体温を下げられるようなアイテムを準備しておくと、快適に生活を送れます。
また、暑さはもちろん寒さにも弱いため、ペットとして飼う場合には室内飼いが最適です。
ペットとして豚を飼うときに気をつけたい病気
豚はよく食べる動物のため、消化器官や肥満といった症状に注意が必要です。
また、皮膚に関する病気など、かかりやすい病気はいくつかあります。
今回は豚がかかりやすい病気を、ご紹介します。
消化器官や肥満
前述したとおり、豚は非常によく食べる大食漢のため、与えた餌は基本的に全て食べます。
そのため、適正な体重を過ぎて肥満となる可能性が非常に高いです。
栄養吸収能力も高いため、食べるからといってあげ過ぎると、かえって不健康へとつながります。
体重が増えすぎると、大型犬よりも大きくなり、介護の際や病院などで抱えてあげることができなくなります。
肥満となると心臓に負担がかかるため、心筋梗塞のリスクや突然死のリスクが高まります。
反対に餌の量を少なくしすぎると栄養失調になり、ほかの病気にかかりやすくなってしまいます。
まずは、長生きするためにも食事による体重管理は重要です。
また、消化器官の病気としては胃潰瘍が見られます。
ストレスのほか食生活が大きな影響を与えるため、野菜の量や散歩によってストレスの発散と栄養摂取をサポートしましょう。
皮膚に関する病気
豚には皮膚に関する病気も、多くあります。
首筋から背中にかけてといった場所で、はっきりと皮膚炎症が出る場合もありますが、場合によっては目立たない箇所に炎症が起こります。
飼い主さんが気づかない間に進行してしまい、大きなストレスや免疫力の低下につながるため注意が必要です。
皮膚炎の原因とされるものには、主に以下のものがあります。
- 疥癬ダニ
- シラミ
- カビ
- アレルゲン
- 乾燥
飼育に使用するケージや、布などを清潔に保つのはもちろん、皮膚の状態に変化がないか日常的に確認しましょう。
ケージや柵に身体を擦り付けるなど、普段と違う行動が見られた際は、かかりつけの獣医に診てもらうと安心です。
ペット向けの豚は飼い主になついてくれる?
ペットとして豚を飼う上で、気になるのは豚の特性や性格についてです。
人になついてくれるのか、どんな傾向が見られるのかなど気になる点をご紹介します。
豚は人になつく!芸も覚える!
ミニブタやマイクロブタは、人懐こくおとなしい性格が特徴的です。
飼い主の後を追いかけたり、名前を呼ぶと反応したりと可愛らしい反応をしてくれます。
甘えて鼻を押し付けるしぐさや、一緒に寝るために膝に乗るといった行動もよくみられます。
しかし、力が強いため機嫌を損ねると、強い力でぶつかってくることもあります。
小さいうちは問題ありませんが、大きくなると大人でも飛ばされてしまうため、しつけが必要です。
まずは、少しずつコミュニケーションを取って、やって良いことと悪いことをしっかりと覚えさせましょう。
ただし、抱っこは嫌がる傾向もあるため、ゆっくりと様子を見ながら接していきましょう。
また、豚は知能が犬よりも高く、人間の3歳児ほどと言われており、場合によってはいたずらをすることもあるため注意が必要です。
知能が高い点を活かして、「おすわり」などの芸を覚えさせることも可能です。
「待て」や「スピン」といった芸も覚えさせられるため、簡単な芸を教えるのも楽しみの1つとなりそうです。
嗅覚がするどく、綺麗好き
豚は視力があまりよく無く、色の判別も得意ではありません。
しかし、その分嗅覚と聴覚に優れています。
嗅覚は犬よりも優れており、人間と比較をすると数十倍から数百倍と言われています。
そのため、トリュフの収穫には豚が利用されていました。
聴覚にも優れているため、些細な音でも認識ができます。
その反面臆病な性格と相まって、大きな音にはびっくりしやすく、怯えてしまうこともあります。
飼育の際には大きな音や大声で接することが無いよう、注意をしながら生活を送りましょう。
また、豚は非常に綺麗好きな一面を持つ動物です。
家畜の場合は泥浴びによって、身体に付いた虫や汚れを落として清潔を保ちます。
家庭では泥浴びはできませんが、定期的に身体を拭いたり水浴びをさせたりするといいでしょう。
家庭でペットとして育てる際には、ご飯や寝床、トイレを一緒にすることはありません。
必ず分けて生活をするため、それぞれの掃除で清潔を保ちましょう。
まとめ
ペットとして飼育する豚について、ご紹介しました。
知能も高く、人に懐く性格をしているペット用の豚は、非常に可愛らしく魅力に溢れています。
しかし、その反面保健所への申請や定期的な報告が必要となり、犬や猫よりもやや手続きが大変です。
また、成長した場合には50kg以上にもなることもあり、飼い初めからは大きく姿が変わります。
可愛らしい魅力だけでなく、どういった点が問題とされやすいのかを知った上で、検討しましょう。