ペットが亡くなったらどうしたら良い?埋葬するまでの流れを解説

「ペットが亡くなったらどうしたらいいんだろう…」
「ペットが亡くなってからの流れを具体的に知りたい」
「ペットを埋葬するにはどんな方法があるんだろう?」

ペットが亡くなってしまいこのような不安や疑問を抱えてはいないでしょうか?

いつかは別れがやってくると覚悟していても、大切な家族の一員として共に過ごしてきたペットの死は、とても悲しく想像し難い現実かと思います。

ペットが亡くなったらどうしたら良いのか、今まで動物を飼ったことがない方は、わからないことも多いですよね。

この記事では、

  • ペットを安置する方法
  • ペットの埋葬方法(火葬・土葬)の紹介
  • ペットが亡くなってから埋葬するまでの流れ
  • 死亡届を提出する方法

について詳しく解説しています。

この記事を読めば、ペットが亡くなってから埋葬するまでに行うべきことがわかるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

ペットが亡くなったら最初にすることは?

トイプードル


ペットが亡くなったら、まず最初にしなければならないことは以下のとおりです。

  1. 死亡の確認をする
  2. 体を整える
  3. 体を清めてあげる
  4. 保冷剤で冷やし安置する

それぞれ詳しくお伝えしていきます。

1.死亡の確認をする

動物病院でペットが亡くなった場合には、獣医師が死亡の確認を行いますが、自宅でペットが息を引き取った場合には、本当に亡くなってしまったのか飼い主が死亡の確認を行わなければなりません。

  1. 呼吸の確認
    お腹や身体全体の動きを見て呼吸をしていないか確認。
  2. 心肺、脈の確認
    脇の下や胸のあたりに手を当てて鼓動を確認
  3. 瞳孔の確認
    ペットの目にライトの光をあてて瞳孔の反応を確認

すべてに反応が見られない場合、亡くなったと判断されます。

2.体を整える

ペットが亡くなっているのを確認したら、いつも使用している愛着のあるブランケットを敷き、寝かせてあげましょう。
もし目が開いている場合は、そっと閉じてあげてください。

体が硬直してしまう前に、胸の方に手足を寄せてあげて自然に寝ている形に整えます。
手足が伸びたまま硬直してしまうと、その後手足を動かすのが難しくなってしまい棺に体をうまく納めることができなくなってしまう可能性があります。

体の大きさや季節によっても異なりますが、死後2時間ほどで体の硬直が始まるので、それまでにペットの体を整えてあげてください。

3.体を清めてあげる

人とペットの手

死後の硬直が終わると今度は体がゆるみ、口や鼻、お尻などの穴から体液や血液、糞尿が染み出してくることがあります。

ペットシートを敷き、ぬるめのお湯で湿らせたあと十分に絞ったガーゼやタオルで体全体をきれいに優しく拭き、ブラッシングをしてあげましょう。

亡くなったペットの体に水分が残ってしまうと、腐敗が進みやすくなってしまうので、湿らせたガーゼやタオルはしっかりと絞ってください。

4.保冷剤で冷やし安置する

ここまで終えたら、ペットの体の大きさに合う棺を用意しましょう。
丈夫なダンボールや箱、ペット用に作られた棺がおすすめです。

棺は、ペットショップやホームセンターでは取り扱っている店舗が少ないので、ネットショップを利用するのが良いでしょう。

ペットの棺

参考:amazon

ペットを安置する方法は以下のとおりです。

  1. 体液が染み出すことがあるので、棺の一番下にペットシートを敷きます。
  2. 保冷剤の結露で体が濡れてしまわないように、タオルで保冷剤を包んでください。
  3. 保冷剤は、ペットの頭とお腹のあたりを中心に置いて冷やします。ペットの体は、最初に腸の腐敗が始まるため、お腹周りは多めに保冷剤を置きましょう。
  4. ブランケットでペットの体全体を包み込み棺の中に入れてあげます。

ペットの体が傷まないように、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所に安置してください。

夏場はなるべくエアコンを低い温度に設定することで腐敗の進行を防ぐことができます。

ペットが亡くなったら埋葬方法を決める

ペットのお墓

ペットが亡くなったら、埋葬方法を考えなくてはなりません。
埋葬方法は、土葬か火葬の2種類になります。

一昔前は、ペットが亡くなったら庭に埋葬するのが一般的でしたが、最近では私有地として庭を持っていないケースも多く、火葬をするのが主流となっています。

それぞれのメリットやデメリットを詳しくお伝えしていきますね。

土葬にする

土葬に向いているペットは、ハムスターや小鳥、爬虫類、観賞魚などの体の小さな動物です。

体の小さなペットでも土に還るまで数年かかると言われているため、小動物より体の大きい犬や猫などは火葬を選択するのが一般的です。

土葬は、臭いを抑えて土に還るのを促進するために石灰を用意する必要がありますが、それ以外はほとんど費用がかかりません。
しかし、ペットの体が腐敗していく中で、臭いや菌が繁殖したり、もし引っ越しをしたりする場合は、埋葬したペットを掘り返して移動させなければならないというデメリットもあります。

自宅の庭に埋める

ペットを土葬する場合、必ず自宅の庭などの私有地に埋めてあげてください。
公園や広場などの公共の場所に土葬することは、法律で禁止されています。

  〈土葬の手順〉

  1. ペットを庭に埋葬する際は、ペットの体重と同量の石灰を用意してください。
  2. 異臭や他の動物に掘り起こされる危険もあるため、1〜2mほどのなるべく深い穴を掘り、準備した石灰の半分の量を撒きます。
  3. 穴にペットを寝かせます。
    体にタオルなどを包むと土に還るまでの時間が長くなってしまうため、使用したい場合は、天然素材100%のタオルやオーガニックコットンを使用してください。
  4. ペットの体に残りの石灰をかけ、その上に土を盛ります。
  5. どこに埋葬したかわかるように目印になるものを置きましょう。
〈土葬のメリット〉
・費用がほとんどかからない

〈土葬のデメリット〉

・自分が所有する土地にしか埋葬できない
・土に還るまで数年かかってしまう
・害虫や異臭などで近隣トラブルが発生する可能性がある
・引っ越すときに埋葬したペットを掘り返さなければならない

プランター葬にする

自宅に庭がなかったり、将来、引っ越しをする可能性がある場合は、プランター葬を検討しましょう。
プランター葬とは、植木鉢に土を入れて、その中にペットを埋葬する方法です。

プランターの大きさは、ペットのサイズに合わせたものを選びます。
ペットの体高の3倍以上の高さになるように土をかぶせて埋葬しなければならないので、最低でも30cm以上の深さがあるプランターを選びましょう。

素材は、プラスチックよりも丈夫な陶器製がおすすめです。

 〈プランター葬の手順〉

  1. プランターの底に鉢底ネットを敷き、底石を並べる
  2. 園芸用の土と腐葉土を1対1の割合になるように混ぜ、プランターの3分の1まで敷く
  3. ペットを寝かせ、土と腐葉土をかぶせる
  4. 植物を植える場合は、ペットの体を傷つけないようにするためと、もし掘り返すことになった場合の目印になるように、更に鉢底ネットを敷く
  5. 土と腐葉土を混ぜてかぶせ、植物の苗や種を撒く
〈プランター葬のメリット〉
・庭がなくても土葬することができる
・引っ越しのときも一緒に連れていくことができる
〈プランター葬のデメリット〉
・害虫や異臭などで近隣トラブルが発生する可能性がある

・深さが足りず野生動物に掘り返されるリスクがある
・土に還るまでに数年かかってしまう

埋葬したペットが土に還るまでは、遺体が腐敗しながら分解していくので、プランターから害虫が発生したり異臭トラブルに繋がったりする可能性が考えられます。

ペットが土に還るまでの数年間、しっかり管理する自信がない方は、火葬を行い遺骨にしてからプランターに埋葬する方法がおすすめです。

火葬にする

火葬場

ペットを火葬する方法は、大きく分けて2種類あります。

合同火葬
他のペットと一緒に火葬を行い、遺骨は受け取れません。
個別火葬よりも安いので、費用を抑えたい人や遺骨の返却は望まないという人に適しています。

個別火葬
個別で火葬を行い、遺骨を受け取ることができます。
しっかりと供養することができますが、そのぶん料金も高くなります。

ペットの遺骨は自宅に置いておきたいという方や、遺骨を封入できるアクセサリーを作って身につけたいという方は、個別火葬がおすすめです。

犬を抱く少女

火葬する方法が決まったら、公営か民営の火葬場に依頼しなければなりません。
それぞれのメリットやデメリットを踏まえた特徴をお伝えします。

公営火葬の特徴

公営火葬とは、市区町村の役所が運営している火葬場のことで、各自治体に1〜2箇所ほど火葬場が設けられています。

〈公営火葬のメリット〉
・民営よりも火葬料金が安い
・火葬までの所要時間が短い

〈公営火葬のデメリット〉

・一般の廃棄物として火葬されることもある
・他のペットと一緒に火葬される合同火葬であることが多い
・遺骨を自宅に持ち帰れない(自治体によって異なる)
・営業時間が短い(土日祝日、年末年始、お盆期間などは休み)
・市外の人が利用すると数千円高くなる
〈公営火葬の費用〉
小:10kg未満  ⇒2,200円
中:10kg以上  ⇒3,300円
大:20kg以上  ⇒4,400円
特大:30kg以上 ⇒5,500円

参考:成田市ペット火葬場(個別火葬)

民営火葬の特徴

民営火葬とは、民間が運営している火葬場のことで、全国に数多く設けられています。

〈民営火葬のメリット〉
・遺骨を自宅に持ち帰ることができる
・豊富なプランから選択できる
・24時間365日営業しているところもある

〈民営火葬のデメリット〉

・公営火葬よりも火葬料金が高くなる。
〈民間火葬の費用〉
小:5kg未満      ⇒30,000円〜40,000円
中:5kg以上      ⇒35,000円〜40,000円
中の大:10kg以上⇒40,000円〜50,000円
大:20kg以上       ⇒40,000円〜60,000円
特大:30kg以上   ⇒50,000円〜70,000円

参考:イオンのペット葬(個別立会火葬)

ペット霊園について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
ペット霊園ってなに?亡くなった後のお墓の現状や法律なども解説

ペットが亡くなってから埋葬するまでの流れ

犬と猫の像

ペットの死は受け入れがたく、最後のお別れをどう行ったら良いのかわからないことも多いと思います。

ペットが亡くなってしまったことに気が動転してしまうかもしれませんが、飼い主として愛するペットを最後まで責任をもって送り出してあげましょう。

ペットが亡くなってから埋葬するまでは、以下の流れで行います。

  1. 火葬場へ連絡する
  2. 火葬やお葬式をする
  3. 骨壷へ遺骨を納める
  4. お墓へ埋葬か自宅へ持ち帰る

それぞれ詳しくお伝えしていきます。

1.火葬場へ連絡する

ペットが亡くなったことを確認し、安置することができたら、公営火葬場か民営火葬場へ連絡をします。

火葬場から日時や時間をいくつか提案をしてもらい、家族みんなの都合がつく時間を決めます。

いざというときのために、あらかじめ合同火葬と個別火葬のどちらにするのか、予算はどのくらいなのかを家族で話し合い、自宅の近くに希望に合った火葬場がないかを探しておくと良いでしょう。

2.火葬やお葬式をする

民営の火葬場であれば、お葬式を行ってくれるプランを選ぶこともできます。

人間のお葬式に近く、式場にある祭壇へペットを安置し、家族が見守る中でお経を唱えてもらい、その後火葬になります。

ペットの体重によって異なりますが、火葬が終わるまでは約30分から1時間ほどかかります。

3.骨壷へ遺骨を納める

モノクロの猫

人間の火葬と同じように、炉から遺骨を取り出して骨壷へ収骨します。

ペット用の骨壷には、様々なデザインがあるので、ペットが亡くなったあとも大切に遺骨を保管できるようなものを選びましょう。

ペットショップやホームセンターで骨壷を取り扱っていることは少ないので、ネットショップで事前に購入して持参するか、火葬場で購入します。

骨壷について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
ペットの骨壷で遺骨を正しく管理!ペットの供養におすすめな骨壷

4.お墓へ埋葬か自宅へ持ち帰る

合同火葬の場合は、遺骨を持ち帰ることができないので、火葬場の納骨堂や合祀墓で他のペットと一緒に供養してもらうことになります。

個別火葬の場合は、遺骨を自宅に持ち帰ることができるので、ペット用の仏壇を購入して納めたり、リビングに遺影と一緒に骨壷を飾ったりすることができます。

自宅に庭がある方は、埋葬してあげても良いでしょう。

ペットが亡くなったら死亡届を提出する

男性と犬

ペットが犬の場合は、市区町村へ亡くなってから30日以内に死亡届を提出することが法律で義務づけられています。

届け出がないと、犬の登録が継続され予防接種の案内が送られてきてしまいます。
また、死亡届を提出しないと20万円以下の罰金を課せられることもあるので、必ず届出るようにしましょう。

死亡届に必要なもの

犬の死亡届を提出する際に必要なものは以下のとおりです。

  • 犬鑑札
    犬を登録したときに受け取るもの。
    もし、紛失してしまった場合は、犬鑑札紛失届を提出できる。
  • 死亡届の申請書
    死亡届には、犬の登録年度や番号(犬鑑札に記載あり)、生年月日、毛色などを記入。
  • 狂犬病予防注射済票
    狂犬病予防注射の接種を受けた際に交付されるもの。

死亡届を提出する方法

犬の登録をしている市区町村の市役所に死亡届を提出する方法は、以下の3種類になります。

  • 市役所に直接提出
  • 市役所に郵送
  • 市役所のHPからオンライン申請

お住まいの市役所によって異なる場合があるので、ご確認ください。
死亡届を郵送やオンライン申請をする際は、市役所のHPから死亡届の申請書をダウンロードすることができるので、必ず手続きを行いましょう。

まとめ

お墓にいる犬

ペットが亡くなってから埋葬されるまでについて、詳しくお伝えしてきました。

この記事をまとめると以下のとおりです。

  • ペットが亡くなったら体を整えてあげたあと、頭とお腹を中心に保冷剤で冷やす
  • 棺は、直射日光やエアコンの風が当たらない場所に安置する。
  • ペットを埋葬する方法は火葬と土葬の2種類。
  • 土葬は、低コストだが異臭トラブルの原因になることもある。
  • 公営火葬は、料金は安いが、自治体によっては合同火葬しか行っておらず遺骨を持ち帰れない場合がある。
  • 民営火葬は、プランの種類が豊富で遺骨を持ち帰ることがほとんどだが、料金が高額
  • 犬の場合、亡くなってから30日以内に死亡届の提出が必要。

大切な家族の一員として、共に幸せな時間を過ごしてきたペットたち。

愛するペットとの別れはとても辛く悲しいですが、最後まで愛情を持って送り出してあげましょう。

ペットを亡くした悲しみから立ち直れない方は、こちらの記事もご覧ください。
辛いペットロスに直面したとき、癒やしと安らぎを得るための改善方法