「ペットを自宅で安置できる期間は何日くらいなのか知りたい」
「ペットの遺骨はどうやって保管すればいいの?」
共に暮らしてきたペットが死んでしまって、このような不安や疑問を抱えてはいないでしょうか?
人間よりも寿命の短いペットたち。
いつかは別れが訪れることを覚悟していても、大切な家族として幸せな時間を過ごしてきたペットの死は、とても悲しく強い喪失感に襲われることでしょう。
しかし、ペットが死んだら、安置や埋葬、遺骨の供養など、やらなければならないことがたくさんあります。
この記事では、
- ペットが死んだら最初にしてあげること
- 冷却材ごとの自宅で安置できる期間
- 火葬や土葬の埋葬方法
- 遺骨を供養する方法
について詳しく解説しています。
この記事を読めば、ペットが死んでしまったらやらなければならないことがわかるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
ペットが死んだら最初にしてあげること
ペットが死んだら飼い主が行わなければならないことがあります。
死後の硬直が起こる前と後で行う最後のお世話になりますので、優しく丁寧に行ってあげましょう。
ペットの体が硬直する前にしてあげること
ペットは死んだら、約2〜3時間で体が硬直してきます。
体のサイズや季節、温度でも時間は異なりますが、硬直してしまうと目が開いたままになってしまったり、体が伸び切ったままで固まってしまうので、硬直してしまう前に体の状態を整えてあげなければなりません。
目や口を閉じてあげる
目や口が開いている場合は、優しく閉じてあげましょう。
一度閉じても、その後に開いてしまう場合があるので、何度か確認をしてください。
目はティッシュやガーゼなどを瞳のサイズに折ってからまぶたに被せるように閉じ、口はタオルなどで優しく巻いて閉じた状態で固定しておくと開かなくなります。
手足を自然に寝ている状態に整える
手足を伸ばしたまま死んでしまった場合は、優しく手足を曲げて自然に寝ているような状態に整えてあげましょう。
手足が伸び切った状態で硬直してしまうと、棺に入らなくなってしまう可能性があります。
一度硬直してしまうとそのあと手足を動かすのは難しくなってしまうので、ペットが死んでしまってから2時間以内に行うようにしてください。
ペットの体が硬直した後にしてあげること
硬直後、12〜18時間が経過すると、今度はペットの体の硬直が溶け始め、柔らかくなり、体液がお尻や口から出てくる場合があります。
体液が出てきたらその都度、タオルやガーゼを使って優しく拭き取ってあげてください。
体液をそのまま放置してしまうとペットの体の腐敗を早めてしまいます。
鼻の穴やお尻にガーゼを入れて対応しても良いでしょう。
体の状態を整えることができたら、タオルで体全体を拭き、ブラシで毛並みを整えて綺麗にしてあげます。
このときに、タオルの水分が体に残った状態のままだと、腐敗の進行を早めてしまうので、タオルを使用するときはしっかりと絞るようにしてください。
ここまでのお世話が終わったら、ペットの体が入る一回り大きいサイズの箱やダンボール、ペット用の棺を用意して寝かせてあげましょう。
ペットを棺に寝かせる前に、ペットシートを敷いてあげると汚れを防ぐことができます。
ペットが死んだら自宅で安置できる期間は何日?
ペットが死んでしまったら火葬するまでに、どのくらいの期間を自宅で安置することができるのか、疑問に思われる方も多いかと思います。
ペットを綺麗な状態で安置するには、保冷剤やドライアイスなどの冷却材を使用しなければなりません。
冷却材別の安置期間の目安は、以下のとおりです。
夏 | 冬 | |
---|---|---|
保冷剤 | 1〜2日 | 3〜4日 |
ドライアイス | 4〜7日 | 7〜10日 |
ペット用棺(※) | 21〜30日 | 21〜30日 |
※ペット用棺とは冷却材が不要で安置できる「天使のつばさ」を指します。
自宅で安置できる期間は、季節やペットが死んでしまったときの体の状態でも異なります。体に傷や腫瘍があると腐敗の進行が早くなります。
では、保冷剤やドライアイス、ペット用の棺「天使のつばさ」について、それぞれ解説していきますね。
保冷剤を使用した場合
保冷剤を使用するときは部屋の温度を下げた状態で、夏場で1〜2日、冬場で3〜4日の間、安置することができます。
家にある保冷剤や氷などでペットの頭とお腹を重点的に冷やしてください。
ペットの体は、最初に腸の腐敗から始まるため、お腹周りは多めに保冷剤を置きましょう。
保冷剤が常温に戻ったら、冷やしておいた保冷剤と適宜交換してください。
注意点としては、保冷剤をペットの体に直接当ててしまうと水分で腐敗を早めてしまう可能性があるため、タオルなどで包んでから当ててあげましょう。
また、自宅に保冷剤や氷が常備されていない場合は、ロックアイスなどの大きめの氷を購入し、その間に保冷剤やドライアイスの手配をするのがおすすめです。
コンビニであれば24時間営業している店舗が多いので、突然ペットが死んでしまっても対応することができます。
火葬までの期間、2〜3日を自宅で安置するには、保冷剤を使用する他にも、部屋の室温は最低でも15度以下になるようにエアコンで調整するようにしましょう。
ドライアイスを使用した場合
ドライアイスを使用した場合、夏場で4〜7日、冬場で7〜10日の間、安置することができます。
保冷剤よりも確実に効果的にペットの体を冷やすことができます。
ドライアイスは24時間で新しいものと交換し、冷やすときは直接ペットの体に当てないように布などで包んでください。
ドライアイスは、スーパーやコンビニで取り扱っている店舗が少ないため、インターネット通販で購入すると良いでしょう。
しかし、到着するまでに1日以上かかってしまうことが多いので、初めは保冷剤や氷を使用して冷却し、到着後にドライアイスを配置してください。
ペット用の棺「天使のつばさ」を使用した場合
「天使のつばさ」というペット用の棺では、冷却材を使用しなくても季節を問わず約1ヶ月安置することができます。
家族の予定が合わず火葬までに時間がかかってしまう場合や、自宅でゆっくりお別れをしたいという方におすすめです。
天使のつばさは、防腐剤や抗菌剤を含んだ特殊素材と完全密閉できるチャックを使用したエンジェルバッグで、保冷剤やドライアイスなどの冷却材を使わずにペットの腐敗を遅らせることができます。
天使のつばさは基本的にはそのまま火葬することができますが、火葬場によって使用できない場合もあるため、事前に確認をしてください。
ペットが死んだら埋葬方法を決める
ペットが死んだら体の腐敗が進行する前に埋葬しなければなりません。
埋葬方法は、大きく分けて、土葬と火葬の2種類です。
それぞれの特徴について解説していきます。
土葬とは?
死んでしまったペットを自宅の庭などの所有地に穴を掘り、土の中に埋葬する方法を土葬と言います。
火葬に比べて費用がほとんどかからないため、一昔前は多くの場合、ペットが死んだら土葬をするのが一般的でした。
しかし、体の小さなペットでも土に還るまで数年かかってしまうことや、体の腐敗が進行していく中で、臭いや菌が繁殖し衛生面でのデメリットが多いため、最近では土葬はあまり行われていません。
火葬とは?
自治体やペット葬儀社に依頼をして、ペットを焼却する方法を火葬と言います。
土葬に比べて費用がかかってしまいますが、近年ではペットは家族の一員として扱われており、最後まで大切に見送りたいという想いから火葬を選択する飼い主が増えています。
火葬には、合同火葬と個別火葬の2種類の方法があります。
合同火葬の特徴
他のペットと一緒に合同で火葬する方法を合同火葬と呼びます。
個別火葬よりも費用がかかりませんが、立ち会うことができなかったり、遺骨を持ち帰ることができなかったりする場合もあります。
自治体によって、内容が異なるので事前に確認してください。
個別火葬の特徴
ペットを1匹で個別に火葬する方法を個別火葬と呼びます。
合同火葬よりも費用がかかってしまいますが、立ち会うことができたり、遺骨を持ち帰ることができたりするというメリットがあります。
ペットをしっかり供養してあげたい方におすすめです。
葬儀会社によって用意されているプランは異なるので、自分に合った火葬方法を選択しましょう。
また、個別火葬には、自宅で火葬することができる移動火葬という方法もあります。
ペット専用の火葬炉を積んだ車で飼い主の元まで訪問し、火葬を行います。
家族の予定が合わなかったり、仕事が忙しくなかなか時間がとれない方におすすめです。
火葬を行うには、予定日の1〜2日前には、自治体やペット葬儀社に連絡をとらなくてはならないので、家族が集まれる日を事前に確認しておきましょう。
ペットが死んだら遺骨はどうする?
ペットの火葬を終えたら、遺骨を供養する方法を考えましょう。
遺骨の主な供養方法は、以下の4種類になります。
- 骨壷に入れて自宅供養する
- 自宅の庭へ埋葬する
- ペット霊園のお墓に埋葬する
- ペット霊園の納骨堂に埋葬する
では、それぞれ解説していきます。
骨壷に入れて自宅供養する
ペット霊園に納骨してしまうのは寂しいという方には、自宅供養がおすすめです。
ペット用の祭壇を購入すれば、骨壷を置く場所が確保でき、写真やお花を供えることもできます。
自宅供養をする飼い主が増えたことから、インテリアの一部として自然に置くことができるようなお洒落な祭壇や、かわいらしいデザインの骨壷やカバーもあるので、購入を検討するのも良いでしょう。
骨壷について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
ペットの骨壷で遺骨を正しく管理!ペットの供養におすすめな骨壷BEST5
骨壷で供養する他にも、遺骨をアクセサリーとして身につけることもできます。
遺骨をペンダントの中に入れると、死んでしまったペットをいつも身近に感じることができるのでおすすめです。
自宅の庭へ埋骨する
遺骨を庭に埋葬する場合は、墓石を購入しなければほとんど費用がかからないことがメリットです。
自分が所有している土地以外に埋葬すると、不法投棄と見なされてしまうため、公園や空き地には埋葬しないでください。
また、引っ越しをする可能性がある場合は、骨壷に入れて自宅供養するかペット霊園で埋葬してもらいましょう。
ペット霊園の墓地に埋葬する
ペット霊園のお墓は、個別墓地と共同墓地の2種類があります。
個別墓地とは?
人と同じように個別で墓地を建てて埋葬します。
墓石の購入やスペースの確保などで10〜30万円が相場となります。
共同墓地とは?
他のペットと一緒に共同で埋葬します。
遺骨が混ざってしまうので、埋葬後は取り出すことはできません。
墓石を建てる必要がないため費用は個別墓地よりも安く、5千円〜3万円が相場となります。
ペット霊園の納骨堂に納骨する
ペット霊園にある屋内のお墓を納骨堂と呼びます。
棚型のタイプやコインロッカー型のタイプが一般的となっており、個別に骨壷や写真、お花を飾れるようになっています。
1年あたり1万円〜5万円が目安です。
屋外の墓地に比べて費用を安く抑えることができます。
ペット霊園によってタイプやサイズ、価格が異なるので、実際に現地で見て内容を確認しておきましょう。
まとめ
ここまでペットが死んでから安置できる期間や埋葬する方法についてお伝えしてきました。
この記事をまとめると以下のとおりです。
- ペットが死んだら体を整え、冷却材を使用して安置する
- 保冷剤で安置できる期間は、夏:1〜2日/冬:3〜4日
- ドライアイスで安置できる期間は、夏:4〜7日/冬:7〜10日
- ペット用棺「天使のつばさ」で安置できる期間は、季節問わず1ヶ月
- 安置するときの室温は、最低でも15度以下にする
- ペットを埋葬する方法は、土葬と火葬の2種類
- 遺骨は、骨壷に入れて自宅供養するか、ペット霊園のお墓や納骨堂へ納骨する
ペットとの別れはとても悲しいものですが、最後まで愛情を持って送り出してあげましょう。