ペットとして蛇を飼ってみたいけれど、どんな種類がいいか、気を付けるポイントは何かなど、わからない点は多くあります。
今回はペットとしておすすめの蛇のほか、飼育で気をつけたい点などをご紹介します。
蛇の飼育を検討している方は、ぜひご一読ください。
蛇ってどんな生き物?寿命はどの程度?
目次
蛇は爬虫類であり、トカゲと類縁関係にある動物で、身体は細長く四肢が退化しているのが特徴です。
蛇は地上から地中のほか、樹上や海洋といった場所に生息しており、特に毒蛇は熱帯や亜熱帯に多く生息しています。
毒蛇は全体の25%となっており、威嚇もなく噛み付く蛇もいるため、野生の蛇には不用意に近づかないことが重要です。
現在約2,500種の蛇が知られており、ほとんどが全長1〜2メートルです。
最大はアミメニシキヘビの9.9メートル、最小はロイターメクラヘビの約10センチメートルとなっています。
蛇の舌には特有の嗅覚作用があり、舌の出し入れでにおいや微分子によって獲物や敵を察知します。
変温動物のため寒い地域の冬季では、冬眠をします。
蛇の寿命は15年〜20年といわれており、大型の蛇では20年以上の種類もいます。
犬や猫よりも長生きのため、飼う際は寿命を考慮しておく必要があります。
ペットとして蛇は飼いやすいのか
種族を選べば蛇はペットとして、飼いやすいといえます。
比較的気性が落ち着いており、餌が入手しやすいタイプを選ぶといいでしょう。
蛇を含む爬虫類はケージに入れて飼育をするのが一般的で、家の外へ散歩をさせる必要はありません。
鳴き声も犬や猫のように大きくないため、騒音トラブルにも発展しません。
スキンシップもあまり好まない傾向にあるため、ある程度放置した状態で飼育ができます。
しっかりと環境を整えた上で、毒がない、気性の穏やかな種族をお迎えしましょう。
蛇をペットとして飼育する上で必要なアイテム
蛇を飼う上で、必要な道具がいくつかあります。
その中でも特に重要で、最初に備えておくべきアイテムをご紹介します。
蛇の体格や特性に合わせて、必要なアイテムを用意しましょう。
ケージ
蛇などの爬虫類は基本的に、ケージの中で生活を送ります。
1番多くの時間を過ごす場所となるため、ケージ選びは非常に重要です。
地上棲か樹上棲によって、必要となる面積は異なります。
飼う蛇の種類や体格に応じて、しっかりと大きさを選びましょう。
素材によってもメリットが異なるため、頑丈さや手入れのしやすさから考慮しましょう。
軽くて手入れがしやすいプラスチックのほか、頑丈かつインテリアとしても映える木製もあります。
また、ケージの内部を定期的に清掃する必要を考慮して、蓋部分も検討しましょう。
しっかりと閉まるのか、開けるために手間がかかりすぎないかといった点を確認しましょう。
シェルター
シェルターは蛇にとって、心を落ち着けて過ごせるスペースとなります。
しかし、蛇に合ったサイズを選ばないと、かえって大きなストレスへとつながります。
とぐろを巻いた状態でぴったりとハマるサイズが、蛇にとって1番心地良いシェルターです。
湿度を保てるタイプやどんな蛇にも合わせやすい商品も、用意されています。
シェルターは必ずしも、必要とは限りません。
専用の商品以外のもので代用も可能なため、最初のうちは様子を見ることも可能です。
しかし、湿度の調整や脱皮の補助ができる環境を手助けしてくれるため、より良い環境を作るサポートになります。
また、突起がないタイプの場合は脱皮の補助になるよう、ざらざら感の強い石や置物を用意しましょう。
床材
床材は定期的な手入れが必要となるため、新聞紙を利用すると衛生的です。
地中に潜る場合は、落ち葉やバークチップといった床材を用意しましょう。
砂利は大きさによっては飲み込んでしまうため、飲み込めない大きさか、砂を検討しましょう。
樹上棲の場合は、丈夫な枝を置いておくのが最適です。
温度調節のための機器
引用元:楽天 みどり商会 暖突
蛇は変温動物のため、周囲の気温によって体温が変わります。
夜間や冬といった寒い時期を快適に過ごせるように、保温機器を用意しましょう。
暖突やパネルヒーターといった機器で、十分温められます。
また夏場は熱くなりすぎるため、冷房との併用が必要です。
仕事などの不在時に温度管理が難しい場合は、サーモスタットを併用すると自動的に適温を保ってくれます。
蛇にとっての適温は、30℃前後です。
温度が低くなると代謝が悪くなるため、体調不良につながってしまいます。
こまめに温度管理を行って、健康的に過ごせるようサポートしましょう。
ペットとして蛇を飼う場合の餌は何を用意するのがいいのか
蛇を飼育する上で気になる点の1つは、どのような餌を用意するべきかです。
犬や猫と異なり、専用のフードがあるわけではありません。
また、蛇は基本として肉食のため、ほかの動物の肉を用意する必要があります。
主に蛇の餌として与えても問題のない肉は、以下の通りです。
- マウス
- ラット
- 鳥類の卵
- 鶏肉(ささみ)
- カエル・おたまじゃくし
マウスの場合は冷凍で販売をされているため、解凍して食べやすい状態にした上で与える必要があります。
マウス以外の肉でも受け付けてくれる場合がありますが、好みが別れるため蛇の様子を見て餌を用意しましょう。
特にマウスを用意するのには抵抗がある方は、野生の場合にマウス以外の肉を餌としている種類を選ぶと、安心です。
また、餌を与える際は直に手から与えることはやめましょう。
蛇が飼い主さんの手も餌と認識し、噛まれる場合があるため、ピンセットを利用して餌を与えると安全です。
蛇をペットとして飼育する上で注意しておくべき点
蛇を飼育する上では、気をつけておくべき点がいくつかあります。
気温や湿度の管理以外にも、蛇が長く生きるために配慮をしましょう。
脱皮不全
蛇は月に1〜2回程度、定期的に脱皮をおこないます。
しかし、なんらかの理由によって脱皮がうまくできず、脱皮不全となる場合があります。
水分不足や湿度が低く、乾燥してしまったという理由が主に挙げられます。
脱皮不全となってしまった場合は、お手伝いをしてあげるとより快適に過ごしやすくなります。
脱皮を手伝う場合は水を優しくかけて、ふやかした上で取り除きましょう。
しかし、場合によっては触れることでストレスとなってしまうので、環境を整えて次の脱皮で自然と取れるようサポートする必要もあります。
もし、脱皮不全となった際にそのままにしてしまうと、壊死につながり欠損してしまいます。
大きなダメージとなってしまうため、なるべくきれいに脱皮ができるような環境を整えましょう。
過剰にスキンシップを取らない
蛇は犬や猫といった動物のように、人になつくといったことはありません。
さらに過剰なスキンシップは、大きなストレスにつながる可能性があります。
しかし、ハンドリングと呼ばれる方法で、蛇とスキンシップを取れます。
ハンドリングを行って人に触れることに慣れると、掃除の際などに大きなストレスを与えずに済みます。
また、ハンドリングによって、外敵ではないという認識を持ってもらえます。
個体の性格や特性に合わせて、様子を見ながらゆっくりと触れることに慣れさせましょう。
ハンドリングを行う際は持つのではなく、手のひらですくうように乗せることが重要です。
飼い主は衛生管理を徹底する
蛇と触れる際には、手洗いをしっかりと行いましょう。
爬虫類には、サルモネラ菌が付いているためです。
サルモネラ菌は体内に入ると、食中毒となってしまいます。
乾燥にも強いため、事前に対策をした上で食事をする必要があります。
また、触った後だけでなく触る前にも、しっかりと手を洗う必要があります。
蛇は匂いに敏感なため、匂いが大きなストレスになる場合や、噛みついてしまう場合があります。
お互いが快適に過ごすためにも、ハンドリングの前後には手洗いを徹底しましょう。
ペットにおすすめの飼いやすい蛇3選
こちらではペットに最適な蛇を、3種ご紹介します。
いずれも初心者でも飼いやすい気性をしており、安心して迎え入れやすい種族です。
色味や体格といった条件が合う蛇がいるか、確認しましょう。
コーンスネーク
コーンスネーク初めて蛇を飼う方におすすめされる、代表的な種類です。
アカダイショウと呼ばれオレンジや赤が元々の色ですが、品種改良によりカラーバリエーションが豊富な種類です。
性格はおとなしいため、攻撃されない限りは人を噛むことはありません。
慣れてくればハンドリングもしやすいため、比較的飼いやすい品種として人気があります。
成長をすると全長は1mを超えますが、とぐろを巻いているため、そこまで大きな印象は受けません。
価格も1万円〜3万円前後のため、最初のペットとして迎えやすいです。
寿命は15年ほどのため、長い時間を一緒に穏やかに過ごしたい方に最適です。
ボールパイソン
ボールパイソンは華麗なニシキヘビという意味の学科名がそのまま付いた種類であり、名前の通り綺麗な模様が特徴です。
ボールパイソンは身体の模様や色で分類される、モルフ(品種)がたくさんあり、多くの品種が存在しています。
攻撃を受けたときもボールのように丸まるため、臆病でおとなしい性格です。
また、毒もないためハンドリングによるスキンシップもしやすい種類です。
しかし、環境の変化に弱いため、飼育の際は注意深く様子を見てあげる必要があります。
コーンスネークと同様に全長は1m前後、価格も特殊なモルフでなければ1万円前後から購入できます。
鮮やかな模様を楽しみたい、おとなしい性格の蛇を検討している方は、ボールパイソンもおすすめです。
セイブシンハナヘビ
セイブシシバナヘビは動物の死骸を食べたり、ピンチのときには死んだふりをしたりという特性のある蛇です。
大きさは40〜80cmほどのため、コーンスネークやボールパイソンよりも、やや小さめです。
毒を持っていますが、許可なしで飼育ができるため、気軽に飼える品種です。
毒は唾液に含まれているため、一瞬噛まれただけで唾液に触れていない場合は問題ありません。
しかし神経毒のため、長時間噛まれると傷口が腫れてズキズキと痛みます。
顔をほかの蛇と比較すると、特徴的で可愛らしい顔をしています。
イノシシのような鼻が乗っており、愛嬌を感じさせます。
飼育のハードルも高くないため、初心者が飼いやすい品種の1つです。
まとめ
ペットの飼育におすすめの蛇を、3種ご紹介しました。
気性や毒の有無のほか、体長や模様といった見た目からも好みの子がいるか検討してください。
また、蛇を飼う上で必要なアイテムや、注意しておくべき点もご紹介しました。
餌や脱皮の補助など、専用のアイテムを用意して環境を整えましょう。
蛇は犬や猫よりも寿命が長く、スキンシップをあまり必要としません。
蛇の性格に合わせて少しでも快適となるよう、見守りながら飼育をしましょう。